- 2021.05.06
地方議会議員とボランティア②:スクールガード活動を事例に
地方議会議員とボランティア①:スクールガード活動を事例に
地方議会議員とボランティア②:スクールガード活動を事例に
地方議会議員とボランティア③:スクールガード活動を事例に
【防犯上の効果】
本件は、私がスクールガードをはじめて1ヶ月後程度で発生したことです。
私は、普段江原台の信号機でスクールガードのボランティアの皆さまと世間話をしつつ児童を待ち、最初の児童が来たらその児童らとともに私の持ち場に向かいます。
その日は、最初の児童が道の途中で友達との待ち合わせをしていたため、持ち場までは私1名で行きました。
私が所定の場所に到着すると、狭い通学路に他市ナンバーの軽自動車がエンジンをかけた状態で停車していました。私はその車を横目に、いつもどおり近くの小さな神社でお参りをしてから持ち場に戻りましたが、車はまったく動かずその場にいます。
車の中からは、かなりの大音量の音楽がもれており、運転席には30代と思しき男性が携帯の画面を観ながらニヤニヤ笑っています。
間もなく最初の小学生がその場所に差し掛かる時間ですし、そもそもその車が停車している場所は交差点から1m程度しか離れていません。そこで私は運転席のガラスをノックして、いつまでここにいるのか尋ねました。すると、運転席側のガラスを薄く開けたドライバーが、私を睨みつけながら「今動くよ!」と怒鳴るように言い放ち、勢いよくエンジンを吹かしてその場を離れました。
その男は、たまたまその場に停車していただけなのでしょう。しかし、時間も場所も状況も、明らかに異様ではあります。また、私がいなければ、間違いなくその車は児童が通学してくる時間もその場に停車していたはずです。
スクールガードとは、単に交通事故から児童を守るために実施するものではないことを、その時肌で理解しました。
【通学路のゴミ拾い】
これは、私のスクールガードの大先輩である江原台自治会長が長年続けておられる行為に倣って実施しはじめました。
私の担当地区の江原台、江原は基本的に地域住民の方々の掃除が行き届いているため、それほど多くのゴミが落ちているわけではありません。
他方、それだけに目につくものや迷惑なものも浮彫りになるものです。そんなわけで、現時点で特に書き留めておきたい点を二つほど紹介します。
一つ目は、ポイ捨てされるゴミは「タバコの吸い殻など、タバコ由来のものが多い」という点。タバコそれ自体はパッケージも含め大きなものではありませんが、「拾う回数」でいうと、全体の6割程度は「タバコ由来のゴミ」というイメージです。捨てられているタバコの銘柄を毎日チェックしてみると、私が歩く範囲でタバコを捨てるのはおそらく3名から5名程度かと思いますが、そういうごく少数の人が愛煙家のイメージを最悪なものにしているわけです。
次に、非常に迷惑なのが「犬の糞」です。ゴミは拾ってゴミ袋に入れるというルーティンで処理できますが、糞の場合そうはいきません。こみ上げる怒りを抑えながら処理をしていますが、本当に許せないものがあります。
通学時の児童が踏みつぶしてしまったために、いったん自宅にもどらざるを得ず、結果遅刻してしまうケースもあります。そもそも、軽犯罪法1条27号は、「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」を対象としていますので、犬の糞を処理しない行為は犯罪にあたる可能性があります。本当にやめてほしいものです。
【草や植え込みの問題】
冬の間はあまり気になりませんが、春先から晩秋までの季節は、草や木の成長が本当に早いものです。
通学路にも一部空き家・空地や、人の出入りが極端に少ないエリアがいくつか存在しますが、そういう個所はもれなく「草や生垣の繁茂」問題が発生します。
「避けて歩けばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、そう簡単なものではありません。例えば、雑草として繁茂している笹につく毛虫は、ときに風にのりフワフワただよいますが、刺されると強烈に痛痒くなるものもおり、場合によっては病院に行かなければならない事態も発生しうるのです。その他、垣根の植え込みとしてメジャーなサザンカやツバキや茶なども、茶毒蛾の毛虫の巣になるケースもあるため、とても危険です。さらに、放置された生垣にはアシナガバチなどが巣を作る場合もあります。
さらに、草木は繁茂しすぎると見通しが悪くなる他、物理的に道そのものも狭くなり、結果事故に遭う可能性が高まります。
そんなわけで、草木の成長が活発な時期は、道路の草刈りはできる限り実施するようにしています。
そのとき、特に困るのが「持ち主不明の空き家や空地」です。特に、生垣は空き家とはいえ完全に私有財産ですから、勝手な刈込は不可能です。あまりに危険な状態にある場合は、市役所に相談するとよいでしょう。
特に、市道に繁茂した雑草の草刈りをした場合、その回収等は市役所の道路維持課が協力してくれます。
こういった市道の雑草に関する市や地元自治会との調整については、自分で体験してみないと、市民の方から聞かれたときに正確なアドバイスはできません。まずやってみる、ということはとても重要です。
ここでは、私が大変助かった経験を一つお話しします。
私が見回っている市道の一部で、広範囲で雑草が繁茂し、一部が小学生の背丈ほどになっていました。また、最大で80㎝程度の幅で道を占領する事態となっており、児童の通学の妨げになっていました。
このような状況を放置すると、見通しはますます悪くなるうえ、先のとおりどのような虫が発生するかわかりませんので、当該地区の自治会の方に相談のうえ、思い切って草刈りを実施しました。すると、ご近所のグループホームの所長が、刈った草を入れる袋と、草を入れたゴミ袋の処理を請け負ってくれました。また、草刈りの一部をお手伝いしてくれもしました。
結果、作業は2日間かかりましたが、当該施設の協力がなければ、作業は倍の4日間は十分かかったものと思います。また、ゴミの処理も市に依頼することなく実施ができたのは、予算厳しい折に大変助かりました。ご協力くださったグループホーム「セントケアホーム佐倉」さんには、大変お世話になりました。
【空き家問題】
上記に付随して、空き家問題も、この活動を通じてごく身近な問題として体感することができました。
私の持ち場の近くに、本年2月14日の地震で屋根瓦が大きくずれた無人の物件があります。この物件は、過去火災にあったとのことで、ガラスがなくなった窓から内部に生々しく残る火災の跡をみてとることができます。建物自体もアリ害などによる痛みが相当激しく、大きな地震に持ちこたえることができるか大いに疑問です。また家具の一部も無造作に当該敷地内に捨てられており、防犯上も、環境的にも大いに問題があります。
そのような物件が通学路に面しているため、空き家特措法や、建築基準法10条3項を使い対処できないか市役所の担当課と相談中です。私としては、先進市や国土交通省の担当課に問い合わせ、現在も何ができるか模索しています。
特に喫緊の課題として、「ずれて危険な屋根瓦」は早急に対応してもらう必要があるため、市に危険を警告するサイン類の設置をしていただきました。また、持ち主に対して対処を促す連絡等の措置をお願いしております。
さらに学校に対しては、教頭先生に当該物件の危険性をしっかり伝え、生徒の登下校指導に生かすようお願いしたことで、現在では児童たちがその建物から極力離れて歩くようになりました。
特に空き家問題は、佐倉市にかかわらず、今後確実に大きな社会問題となっていきます。この経験は、議員として政策に反映させるべき貴重なものでした。
このような問題をリアルなものとして体験できたのは、スクールガードを実施しているからなのです。
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