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2021年9月21日討論:上別所の廃プラ問題の行為者への指導と産廃規制強化を求める意見書に反対

はじめに

これは、「議員提出議案」に関する討論です。

佐倉市議会で討論ができる議案は、主に「市長提出議案」、「議員提出議案」、「請願・陳情」です。

そのうち、「議員提出議案」というのは、文字通り議員が議会に提出する議案、ということになります。

さて、本議案はたびたびテレビや新聞で取り上げらている「佐倉市上別所の産業廃棄物の山」に関するものです。この議案については、我々無会派議員でも、相当な時間を費やし議論しました。そして実際、私もギリギリまで賛成する心づもりで賛成討論まで用意していました。

私の中で流れが変わったのが、9月15日のある議員(本人の希望により氏名は伏せます)からの情報提供がきっかけでした。その議員が言うには、この議案の賛否を表明する直前の9月14日、すでに上別所のゴミの山から、千葉県の指導のもと、ゴミを排出した事業者が自分たちが排出した分のゴミを回収した、というものでした。

その情報は当時ニュースにすらなっていなかったこともあり、詳細を確認するために千葉県の担当課に問い合わせたところ、すでに複数の「ゴミの出し元」の事業者が千葉県により特定され、順次「自分たちが排出した分量のゴミ」の回収をはじめていることが判明したのです。

その情報を前提に当該議案を確認すると、その一番目に「(前略)、廃プラスチック類等の不法堆積物の撤去を速やかに行わせること。」とあります。

何度も表明している通り、特に陳情、請願、議員提出議案については、議決した先にある行政にとって大変重い議決事項となるため、私は賛成することに極めて慎重な議員です。「趣旨は総論として賛成なので、とりあえず賛成」という振る舞いは、私はしません。

現状を確認し、すでに行政がしっかり着手して、成果もあげている事案について、佐倉市の議会がさらに千葉県に要望をあげるということは、私は無用な圧力になると考えました。

もちろん、当該議案をあげた議員は、当該議案を書いた時点ではそのような進捗を確認できる状態にはありませんでしたので、議案を上程する行為自体を批判するわけではありません。しかし、十分な審議をした結果、私としては賛成できない情報がそろった、ということになります。

本議案に関する詳細は、以下のリンクからご確認ください。

発議案第3号 佐倉市上別所地先の廃プラスチック類等の不法堆積物の原因究明及び速やかな撤去、不法な行為に伴う生活環境への悪影響の調査、産業廃棄物の違法行為の規制強化を千葉県に求める意見書


討論原稿

本件は上別所に積まれた産廃の処理に関する対応の強化と、再発防止のための条例等の策定を、千葉県に求めるものです。

本件で発生した「放置された産廃」について、行為者に撤去を求める件は、千葉県は現在取り組みを継続中であり、成果を上げています。県の担当部署に確認したところによると、廃棄物を出した事業者の一つを特定し、当該事業者が排出した分の廃棄物の撤去は9月14日に完了したとのことです。さらに、複数社の事業者の特定に成功し、それぞれの排出量に応じた県からの撤去要請を了解しているとのことでした。また、現在上別所に放置されているその他産廃の「出どころ」の特定作業を、現在も継続中とのことです。

本件にて処理できる廃棄物の総量等の詳細は、後日県議会での質疑などで明らかになると思われますが、すでに県はしっかり動いており、引き続き排出事業者の特定について活動を続けるとのことでした。そんな状況下において、佐倉市からの意見書による行為要請は、県の担当部署に対して無用な圧力であると考え、同趣旨の意見書の提出は、少なくとも現時点では反対いたします。

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